カーワックスに使用される「カルナバ」って何? T1グレードって何?

車用のワックス(通称:カーワックス)に「カルナバ○○%含有」という記載を目にしませんか? カルナバが多く入ってたら正義! みたいになりかけていますが、本当にそうなのか? カルナバについて調べてみました。

カルナバとは?

カルナバ(カルナバワックス)は、ブラジルのカルナウバヤシ(Copernicia prunifera)という植物の葉から得られる天然のワックスです。カルナバヤシはブラジルの北東部に自生しており、その葉には厚いワックス層があります。このワックスは、植物が水分を保持し、紫外線から保護するための役割を果たしています。

カルナバワックスの作り方(原料)

① カルナバヤシの葉の収穫:カルナバワックスは、ブラジルのカルナバヤシ(Copernicia prunifera)という植物の葉から得られます。成熟した葉を収穫し、外側の緑色の部分を剥がして、ワックス層が露出するようにします。

② ワックス層の分離:剥がしたカルナバヤシの葉を砕いて粉砕し、乾燥させます。その後、ワックス層を取り出すために熱水や溶剤に浸します。浸した後、ワックス層が浮き上がってくるので、それを取り出します。

③ フィルタリング:浮いてきたワックス層を適切なフィルターで濾過し、不純物を取り除きます。

④ 再度の浸漬と分離:浸漬と分離の手順を繰り返して、ワックスの純度を高めます。この過程は複数回行われることがあります。

⑤ 冷却と固化:浸漬や分離が完了したら、ワックスを冷却して固化させます。冷たい水や冷却プロセスを使用してワックスを固めることが一般的です。

⑥ 粉砕と加工:固まったカルナバワックスを適切なサイズに粉砕し、加工して最終的な形状にします。これにより、市場で販売されるカルナバワックスの形状や形態が得られます。

カルナバワックスの特徴(原料)

カルナバワックスは非常に硬くて耐久性があり、高い融点を持つため、さまざまな用途に利用されます。特に自動車のワックスやポリッシュ製品、家具の仕上げ、フロアワックス、靴磨きなどに広く使用されています。カルナバワックスは、光沢を与えるだけでなく、表面を保護し、耐久性を高める効果もあります。

カルナバワックスは天然由来の製品であり、環境にも比較的優しいです。そのため、自然志向の消費者に人気があります。また、食品や化粧品にも使用されることがありますが、食品用として販売されるカルナバワックスは特定の品質基準を満たしている必要があります。

カルナバは、その耐久性と光沢効果から、広く利用される天然のワックスとして知られています。

カルナバのグレードについて

カルナバワックスは3つのグレードに分類され「1号」「2号」「3号」とあり、若い数字ほどグレードの高いカルナバワックスになります。また、最近では「最もランクが高いブラジル産T1グレードカルナバのみ使用」などの表記を目にしますが、このT1が1号に値します。

1号(T1): 1号は最高品質のカルナバワックスであり、スペシャルフラワーグレードとも呼ばれます。このグレードのワックスは最も純粋で光沢があり、非常に高品質なものとされています。自動車のポリッシュや高級な家具の仕上げなど、要求される最高品質の製品に使用されます。

2号(T3): 2号は中程度の品質のカルナバワックスで、プライムイエローグレードとも呼ばれます。このグレードのワックスは、光沢と保護効果のバランスが取れており、一般的に一般的な自動車のポリッシュやフロアワックスに使用されます。

3号(T4): 3号は低品質のカルナバワックスであり、イエローグレードとも呼ばれます。このグレードのワックスは光沢や保護効果が比較的低く、一般的に産業用途や低コストの製品に使用されます。

カルナバ○○%配合の表記に騙されるな!

カルナバワックスは非常に硬い性質を持っています。実際、カルナバワックスは天然のワックスの中で最も硬いと言われており、その硬さはコンクリートぐらい硬いと言われています。

カルナバ○○%配合と書かれていると、ワックス全体に対して○○%含有していると誤解しがちですが、ワックスに含まれている艶出し成分に対しての含有量だったりします。

艶出し成分がワックス全体の何%を占めているか商品によって異なるので、カルナバ○○%配合という表記は、実はあてにならない数字なんです。

カーワックスに使用されているカルナバワックスのグレードについて


出典:https://www.surluster.jp/

固形ワックスで有名なシュアラスターを例に挙げると、シュアラスターで販売されているカーワックスには「コスメティック」と「1号」のカルナバワックスが使用されているみたいです。「コスメティック」というグレードは存在しないので、恐らく造語だと思います。「1号」をさらに厳選したカルナバワックスと認識しています。

つまり、シュアラスターでは一番安価な『インパクト』でさえ「1号(T1グレード)」以下のカルナバワックスは使用されていません。

何が言いたいかというと「最高級のT1グレード」という言葉を目にしますが、カーワックス界でT1グレードを使用するのは驚くことではなく、ごくごく当たり前のことなのかもしれない。新しい言葉に踊らされないように注意しましょう。

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